黒壁紙

恋人を失うということは彩られていた部分が真空になるということであって、例えばデスクトップなら賑やかな壁紙がいきなり黒一色のそれになるようであり、非常に心淋しいものである。しかしすぐ違う壁紙をつけれ゛いいかというとそういうもんでもない。なぜその壁紙がなくなったのかをじっくり考えて、それなりの結論が出るまで黒い壁紙で耐えた方がいいような気もする。それはライトなしで夜道を運転するようなものだけど、目が慣れれば物事の形というのはうっすらと見える。


誰にも求められず頼られずというのも見方によっては悪くない。広々とした地平と自由な自分。何かと罪悪感を感じてしまいがちな私にはそれもまた楽なこと。
またやり直せばいいことなのかもしれない。