外は凄い雨だった。夏のスコール。どちらかというと気持ちがいい。
そんな雨には構わず、安全地帯のような暗い部屋で小柄な白い体を抱いていると、どこか違う世界にいるようだった。
そして雷が鳴る。
彼女が身をすくませる。
「雷、怖いんだ?」
「うん」
また鳴った。彼女は再び怖がった。
なんとなく扉が開いたような気がした。