アマゾンのミステリー

実は最近、アマゾンを愛用している。アマゾンといってもネット上の本屋さんのことで、通販で本を買えるのだ。古本だって売ってるし、配送も2・3日だし、なかなか見つかりそうに無い本とか、ネットで見かけてこりゃええわと思った本なんかを買うのに便利なのである。
そして先日、ある本をアマゾンで購入し配送を待っていた。配送は1/14。しかし待てど暮らせど本が届かないのである。やがて日は過ぎ、1/20になってもまだ届かない。ようやく暇を作って配達会社であるペリカン便に問い合わせてみた。
高橋「インターネットの確認画面で見ると配達完了となっているんですが郵便受けにも入ってないし、どうなってるんでしょうか?」
ペリ「えー、こちらの記録によりますと、手渡ししたことになってます。ハンコもついてありますが・・」
高橋「なんですって!そんなバカな!」

そんな記憶はない。ならばハンコが偽造品だということか?しかし、ウチのハンコは玄関あけてすぐのところに宅急便用のハンコが置いてあるので誰でも見つけることができる。もしや泥棒が入ってて、たまたま来たペリカン便に応じたとか・・。慌てて金目のものがなくなってないか探そうとしたが、よく考えたらウチに金目のものなど無い(笑) パソコンくらいか。でももちろんなくなってないし・・・。

ペリカン便が来た時刻は朝の9時36分で、その時刻の自分の行動が思い出せなかった。寝ていたのか。それともパチンコ屋に並んでいたのか。それとも買い物に行っていたのか。確かなアリバイはない。自分の日記を読んで確かめてみるもその日の記述はなし。この時初めて、日記を毎日つけなくなったことを後悔した。

高橋「今からハンコを持ってそちらに向かいます」
ペリ「どうぞどうぞ」
ということで最寄のペリカン便へ。担当の人が伝票を出してきて、私に見せる。するとなんと!ハンコがピタリと一致したではないか!いったいどうなっているんだ!?
高橋「おかしい!こんな模様の伝票見たことないです!こんなの一度見たら絶対忘れないし。それにこんなに綺麗に押せないし・・」
ペリ「おかしいですね・・」
高橋「よおし、こうなったら面通しするしかないですね。ドライバーの方は誰かわかるんですか?」
ペリ「ええ、昼休みに戻ってきますよ」
高橋「わかりました。だったら昼にまた来ます。」

もし配達員が私に見覚えが無かったら・・。泥棒が入り込んでいたということである。怖い。警察に行かなければっ!

そして、お昼。私は再び配達所へ向かった。
高橋「あのーすいません。ドライバーの人戻られましたか?」
ペリ事務員「今呼びますのでお待ちください」
高橋「はい・・・」
待つこと2分。奥の扉が開いて、配達員が出てきたのだが、その顔を見て驚いた。

た、高木ブー

その時私の頭の中に電光とともに記憶が蘇った!そう、私は確かにこいつに会ったことがある!高木ブーにそっくりなその体型、そして顔!彼は夢の中で私にヨウカンを持ってきたのだ。そう、戸を開けたら高木ブーが雷様の衣装で立っていて、「ヨウカン持って来ました〜」とかなんとか言ったので、とりあえずハンコを高木ブーに渡したのである。そして私は「いやーヨウカンですか。ヨウカンよう噛んでお食べ〜」と関西風のギャグで返した覚えがあった。まさか!

高木「あ、覚えてますよ」
高木ブーは言った。この時もう私は死に体だった。あれは現実だったのか!ハズカシー!
高橋「あ、私も思い出しました。あのー寝ぼけてて・・。えへへ。そっかハンコは押してもらったんですよね。謎は全て解けた!・・・んじゃども失礼しました。。」
高木ブーは「ダメだこりゃ」とでも言う風に苦笑いした。

私は逃げるように去った。そして家に帰り、台所の下の食料庫をあけると見事に小包が!まあヨウコンならここに置くよな・・。
結局一番怖かったのは、自分もそろそろボケが始まったのかなということであった・・・。