レアなもの
砂金取り、というのはなかなか面白そうで、日がな一日、川の底をお椀みたいな道具で掬い、比重の差で沈むわずかな砂金を集めつづけるのだと言う。またダイヤモンドとかの宝石類もただひたすら掘りつづけて偶然の出会いを待つらしい。とにかく掬ってみる。掘ってみる。発見と言う幸せは何万回かのシャベルのうちの一つなんだろう。
そんなわけで、1回掘って出て来なかったからといって、嘆くには及ばない。「そこにはない」という事実を発見したのだ。また得られたものが小さいからといって淋しがる必要も無い。毎日貯めればある日ポケットいっぱいの砂金になっているかもしれないのだ。
もちろんその地層にはもともと何も無いのかも知れない。だから無目的に掘るのは愚かである。地層学等の知識をフル活用して、ある程度予想をする必要はある。
ただ、幸運もたまにはある。あるトラックの運転手は道端で立ちションしていたら、その脇に巨大なダイヤモンドの原石が転がっていて、一夜にして億万長者になったという話だ。そんな風にダイヤモンドの方から発見してくれる場合も稀にだが、ある。
もちろん一番いいのは自分がダイヤモンドであることだろうけど、もしそうだとしても掘られぬまま一生を終えるダイヤもあると思うので、やはり掘った方がいいのだろうと思う。