賞をとった男

その男は気が弱かった。シャイで、気配りのできる人だった。要領が悪かった。
しかし、彼は会社をやめて、好きな脚本を書くことに集中した。
脚本家を目指す仲間からは、その気の弱さからか、散々馬鹿にされた。無理といわれ、バカと言われ、陰口を叩かれた。
だが、彼は夢をあきらめなかった。背水の陣を敷いて全てを書くことに集中した。

そして先日、彼はある大きな賞を受賞した。名前を聞けば誰でも知ってるような大きい賞だった。
彼をバカにしていた者たちは、目を丸くしていた。
結局周りのものがバカだったのだ。
自分だけを信じた彼が勝った瞬間だった。

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