シゴかれる

今日は実技実習。江戸川までトコトコ出掛けると、受講者は欠席があって私1人ということになった。んーむ、みっちり教えてもらおうではないか。さっそく近くの新中川へ行く。
練習艇はフードつきの小型のボート。でもエンジンはピカピカでよく整備されている。早く乗りてーと思ったけど、まずはロープワークから。もやい・いかり・巻き・クリートなどは無難にこなすものの、逆方向からとか巻き回転逆になると頭が混乱する。こういうのは慣れもあると思うのだけど、試験では30秒以内にやらないといけないから、練習あるのみ。その昔、スキーのバイトに行ってた時、寡黙なトラックの運ちゃんに結び方を教えてもらったのをふと思い出す。あれも同じような結び方だったなぁ。懐かしい。昼休みにファミレスでひたすら縄をふるって練習してたら、やや変な目で見られたけど(笑)
そしていよいよ沖へ。もう安全確認がとにかくしつこい。車の運転免許以上のものがある。それを素早くあーだこーだ言われながらやらなきゃいけないから泣ける。一度にいろんなことを覚えなきゃいけないのもきつい。流れは速いし…。なかなか難しいな。


でもディズニーランドの近くに出ると海が広がった。釣りの時いつも指を咥えて見てる一級ポイントも目の前。ああ、竿持ってくりゃ良かった…。いや釣りはさせてもらえないんだけど。でもそういう話をしてると教官も昔沖縄で働いてたそうで、大物釣りの話で盛り上がる。だがわりーけど、釣りでは俺の方が腕が上である。フフフ。そして海の上を滑走。気持ちええー( ´ー`) 海の上は障害物もないし、速度制限もない。ハンドルを切るとハングオンなみに傾くし面白い。しかしガソリンの減りも気持ちいいほど早いな(笑)


そして操船では最後までシゴかれた。特に着岸離岸は困難で、流されるしで頭が真っ白になった。江戸川恐るべし。これもイメトレしないとなぁ。


でもこういう風に稽古をつけてもらうのって面白い。ふと、車の免許を取った時のことを思い出す。まだ大学生だったし、教官にはミスするとよくどつかれた。今よくある、教官を生徒が採点する制度みたいなのはもちろんなくてスパルタだった。でもそんな生徒に媚を売る教官に教えてもらうなんて不幸である。教育は頭ごなしにやるのが優れていると思う。私は親にもあまりかまわれることなく放置されてきたので、そういう風に怒られるのはとてもうれしかった。あれはよかったな。教官は最後に
「高橋、早く大人になれよ」
と言った。今ではその意味がよくわかる。


大人になってしまうと怒ってくれる人はもうほとんどいない。子供のうちにできるだけ怒られていた方が良い。何か心に穴のようなものがあって、何か足りないという感じがあってそれをちゃんと満たされるまでは大人になりたくなかったけど、押し出されるように大人になった。だから時々心が啼く。そう、もっといろいろ教えて欲しかったな。今日は久しぶりにシゴかれたのでちょっと満足でもあった。