前と同じ

最近の喘息の薬の進化のおかげで酒が飲めるようになった。酔っ払えるのは気持ちいい。何か許しのようでもあり、死のようでもある。心を執拗に掘削している苦痛も一時的に感じなくてすむので、これに溺れる人の気持ちもわかる。でも私は苦痛もそんなに嫌いなわけでもないので、たまに酒を飲めれば良い。


執着というものがだいぶ消えてきた。元々私は生きる事に対してそんなに執着はない。死にたくはないけど、べらぼうにギラギラと生きたいわけでもない。必要とされれば頑張るけど、必要でなければ昼寝でもしている。生まれつき怠惰なのだ。空でも眺めながらのんびり草でも噛んでいたい。


幸運にもこの前は必要とされた。多分、自分には縁のないものと思っていた幸せにもありつけた。もちろんその間は、大して自分を磨いていたわけでもない私は、迷惑もかけたろう。そして用済みになれば捨てられるのも当然の事。そうか、と思う。もう必要とされてないんだ。それならまた昔のように昼寝していればいいのだ。なんだか安心した。1人でいるのだってそんなに嫌いでもない。
また扉が叩かれるまで眠ろう。