泣いたら強くなる人

ちょっと気が弱そうだけど、イジメられて泣き出して、泣き出した途端、急に決意したように強くなる子供って昔いた。
私もちょっとそういうケがあって、普段はおとなしいけど、どうしようもないピンチになると、いきなり強い人になったりする。例えば、失恋後の1週間とか、スロットで生活費をつぎ込んでボロボロになった時とか。そんな時はもうこの世に対する全ての執着が消えて、物凄く強くなる。
なんでだろうと考えてみるといくつか答えが浮かぶ。

・開き直ってしまい、現実を受け入れる覚悟ができるから
・本当の自分の感情に気づくから
・冷静に自分の弱点を振り返ることができるから

などなど。
ともかく、自分の中に何か守ろうとするものがあるのだ。それを守りつづけるために普段は気弱い。不幸にも耐えて我慢する。でも不幸が限度を越えると、もう豹変して攻撃一筋になるというか。晴れて自分の意志で拳をふるえるのである。
いったい何を守ろうとしているんだろう。
明確にはわからないけど、なんとなく、「相手がこうあるべき」という思いを守ろうとしているんじゃないだろうか。
自分がこうしてるんだから、相手だってきっと自分のために動いてくれるはずだ、みたいな。

そういう人々はもしかすると心優しいのかもしれない。自分のことより人のことを考えてしまう人とか。
それなのに、自分が努力しているのに報われない。人が好きなのに、人から意地悪される。そういう理不尽な思いをさせられた時、涙あふれてしまう。そしてその与えられる理不尽さが限度を越えると大魔神の如く豹変するのだ。
「もういいよ。わかったよ」と。

実は普通の人は案外早い段階で「もういいよ。わかったよ」というレベルに達する。しかし一部の心優しい人々は、相手を純粋に無償で牧歌的に信頼するあまり、涙を流してしまうのだ。
しかし、私はそういう甘さはそんなに嫌いではない。
たとえ弱いと言われたって、そういう原始的な信頼ってなかなかいいものだと思う。
理不尽すぎることをする人が悪いと思う。

日記才人投票