フェリーニ「道」

前々からいろんな人に薦められていた「道」という映画を見てみる。(あ、ネタバレしまーす)。古い白黒映画で、主人公は旅芸人に売られた女の子。たった1万リラで売られていくんですね。日本でいえば花街に売られていく東北の貧しい農村みたいな感じか・・。
でも少女は健気で、笑顔で歌ったり踊ったりラッパを吹いたりします。連れて行った鎖切りの男に愛情を抱いたり、不幸な境遇の中にも強く生きようとします。
でも、ついに男が逮捕された時、「私はなんのために生きてるの」と泣きます。そこまでよく我慢したな、という感じです。
でもそこでバイオリン弾きが彼女を説得して「そこにある小さな石ころでもちゃんと意味があるんだ」と彼女を慰めます。それで彼女は鎖切りの男を愛するようになったりするんですが・・。結局はかわいそうな最期をとげます。
なんとも暗い映画でした。なんで、彼女は生まれたんだろう、努力しても結局いいことなんかなかったじゃないか、と。
でもそれは浅慮な感想だと思います。多分、幸せに向かおうとしたその過程が大事ではないのかと。救いようのない話がいろいろと展開するんですが、その中で時々見せられる小さな思いやりとか(ここらへんはイタリヤ映画らしい)、哀しいんだけど、希望もちょっとあるような感じです。彼女はなんのために生きたんだろう・・・と、心に残る映画ですね。ナイスでした!

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