母性本能な女

ある時期、とても落ち込んでいた時にたまたまデートすることとなった。その時はいろいろな嫌なことが重なり、なんか負けまくりで相当ダメな状況だった。
そういう時は気まずくなる時も多いので、正直、行きたくねーとも思ったが、約束したし、まあ頑張るかと、とぼとぼと待ち合わせ場所に向かう。
で、お茶とかしてブラブラするんだけど、こちとらアイフルに出てくる犬(くーちゃんだっけ?)のような状況。とにかく元気がない。日も暮れて飲みに行っても脱力感が多い。「くぅ〜ん」と鳴きだしそうな状況。ああ、これはもうアカンかもしれんね、不運は友達連れでやってくるもんね、とあきらめかけていた。
しかし、その女(22歳くらいだったか)、妙に元気なのだった。こっちが落ち込むほど、負け犬のような瞳を見せるほど盛り上がっていくのである。当時のセオリーとしては、「弱い男は恋愛に対してダメダメ」「童貞と書いていい人と読む」みたいなことを思っていたから、なんでこうなるのかと不思議に思った。
で、どうにでもなれと、泣き言を打ち明けだしたところ、なんか親身になってくる。オーラというか恋愛フェロモンも漂ってきた。
これはなんだろう、とその時はわからなかったけど、昨日何年かぶりにふと気づいた。そうか、あれは「ダメ男好き」な女だったんだな、と。母性本能が強いのか、あるいはちょっと自分に自信がなかったのか、とにかくダメなオレが良かったようなのである。
しかし、断っておくが私はダメ男ではない。もう一度言おう。私はダメ男ではない。念のために言うがダメ男ではない。断固としてダメ男ではない。繰り返して言うがダメ男ではないのである(笑)
たまたまダメゾーンにいただけ?
ま、ともかく、当時もやはり自分がダメであることを許さなかったから、そのデートはそこからなんの進展もなかった。強く、ただひたすら強くなる。そう思ってたので、「こんなダメな自分ではイカン!」と克己し、その投げかけられる愛情に背を向けたのである。


でもまあ今になって思えば、「しまった損した!」と感じる(笑) 別に強がらず、「ボク、ダメなんだ〜・゜・(つД`)・゜・」と飛び込んでいけばよかったのだ。ガチガチの強さもいいけど、やはりしなやかな強さというのが良い。人の力を借りるのも重要なことだ。
素直にその母性本能に甘えればよかったのだろう。

日記才人投票