ニンジンラーメン

朝から帳簿の資料作り。いい天気なのに今日は奴隷だった。何度もくじけそうになったが、自分の前にニンジンをぶら下げることでなんとか乗り切ろうとした。
(おい、オレよ。これが終わったら"ラーメン"食わしてやるぞ!)
そう、ラーメン! カロリーの塊! 体脂肪率を減らすことを緊急課題にしている私にとってラーメンは究極の敵だ。スープ、チャーシュウ、麺。全ての食べ物の中でも横綱級のそのカロリーはゆうに1000kcalを超えるだろう。
しかし、私は近所の某所に新しいラーメン屋ができていて、しかもそこが雑誌に取り上げられていることを知っていた。
(そう、オレはもともとラーメンスペシャリストではないか。東京じゅう、いや日本中の有名ラーメンを食してきた男。それがこんな近所のラーメンをチェックしないでどうする? その崇高な使命はどうなるのだ?)
と、前々から意識の隅にあったのである。
(よし! ラーメンを食った後、速攻でジムに行けば中性脂肪になる前に燃やすことができるはず。その作戦で行こう!)
そうしてラーメンというニンジンを思い描きつつ、秋の行楽日和を仕事に費やしたのだった。
そしてやっと資料作成が終了。まだ税務署での添削が待っているが、とりあえずやれることはやった。あとは-----あとはラーメンだ!


ジムバックを背負い、自転車を飛ばしてラーメン屋へ。食券を買ってカウンターに陣取る。まだ新しい店だからか客は少ない。さてラーメンはいかに。情報によるとトンコツに魚干しの出汁という最近流行のパータンである。さて、どうか……。
そしてラーメンがやってきた。
色は良い。肉はやや安物だが、柔らかそうである。麺は固めの細麺だ。スープを木のレンゲですする。夢にまで見た瞬間!
ズズズズッ。
………。
まずいぞ…(;´`)
この待ちわびたラーメンスープがこれかよっ! 酸っぱいじゃないかっ! カツオ強すぎって感じで、なんていうかラーメンを食べた時の喜びがまるでないのである。そこにはつらさだけだった。なぜ人は体重増加の危険を冒してラーメンを食うのか。それはあの至福の満足感を味わうためではないか。清水の舞台から飛び降りるような気持ちで食べたラーメンなのにこれはなんじゃ! 私はその色からして光麺や少なくとも康龍レベルを予想してたのになんたること。
「おい、なんだこのラーメンは! 店主を呼べ!」
と、心の中で海原雄山になってみたものの、もちろん私は気が弱いので黙ってうつむいて食べた。この店、もうすぐ終わるな…。ラーメンプロデューサーとして私を雇っておけばこんなことにならないのに。客も少ないわけだ。
落胆して店を出る。しょうがない、ジムでスカッと…。
ところがジムについたら受付の女の子に、
「今日は7時までなんです。すいません…」
と言われてしまった。嘘、9時までじゃなかったっけ!? ぬかった!(;´`) 
この腹の中のラーメンはどうなるのだ? その時私はラーメンが脂肪になり、おなか周りにジトジトと蓄積される音を聞いたような気がした。そういえば昼間もオリエンタル料理の店に行ったら「今ちょうど材料が切れてしまったところなんです、すいません」と言われたぞ。
ちくしょー、この運の悪さよ! こうなったらヤケだ。腕を使うスポーツに行ってやる!
そのスポーツは別名パチスロというのだが…。
で、少しだけ不幸分を返してもらって帰宅。とりあえず脂肪はジョギングでなんとかすることにして4kmほど走る。寒いねぇもう。そろそろウガイをしないと風邪をひく季節のようだ。
もう一つ、新しくオープンしたラーメン屋があるのだが、これは税務署を通過したら行くことにしよう。今週はただただ税務署との戦いとなる。
うまく行きますように。

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