雲の中に浮かぶ窓

実はジムに通いだしたのは、ある日ズボンをはこうとしてボタンをしめたところ、お腹の圧力でバシッ!とボタンが音速を超えて飛んでいったからである。前に人がいたら死んでいたかもしれない。オレはこのままでは殺人者になってしまう。そうだジムに行こう!と思ったのであった。
おかげでズボンはゆるゆるになって今度はベルトをするのが面倒くさいという風になった。しかし、思いも寄らぬ展開が待っていたのである。
昨日、去年買った上等な上着を着てると、肩のあたりからピリピリという音がした。破けた! 外出中に破れるとはいったいどういうわけなのか…(;´`)
とにかく、肩周りに筋肉をつけすぎて、昔のぴったりしたシャツが着られなくなったのである。ちょっとライブドア状態である。私の予想では、腰まわりが痩せて逆三角形だったのだが、肩幅も広がって逆三角形に向かっているのがちと計算外である。肩周りのトレーニング(サイドレイズ)をやめればいいんだけど、このマシーンはやっていて非常に気持ちがいいのでやめたくない。
でもまあ、形としてはいい方向なので、気を良くはしており、昨日はついうっかりラーメンを食べてしまった。それも九州じゃんがらのみそ、味玉載せである。とてもおいくして幸せだった。ちなみに金曜日はジムが休みなので、カロリーを消すことは出来ないが、まあいろいろと浮かれていたのである。
そこで今日、フンフフ〜ンと体重計に乗ったわけだが…。
なんと体脂肪率が3%増加!(死) 
1%減らすのに3日かかるのに、3%も! 恐るべきじゃんがら! 9日分が水の泡である。それにしても私の脂肪ホールド力は世界一ですか!? 体重計の上でしばし動けず。じっと目盛りを見る。やはり食事制限もすべきかなぁ。。マイクロダイエット、やってみる?


先日、ちょっとお気に入りの子に恋愛っぽいメッセージを打診したんだけど、しばらく自分の恋愛精神力を使ってなかったので、恐ろしく恋愛モチベーションが低下してるのに気づいた。「そろそろ恋愛が始まりますよー」と声をかけたら「えー、マジっすか?」「もうやめましょうよ」「期待するのハンターイ」「そんなことより株やりましょうよ株!」と、まるでやる気なし(笑)
パソコンで言えば「うまくシステムが立ち上がってた時の状態で起動」という風に気持ちを集中してみると、ぼんやりと見えてきて、自分という人間のアホさであるとか、社会性のなさとかが障害となって恋愛したくないと思ったところで恋愛が終了していた。で、1人でいることに慣れてしまって、対人的に面白いやつではなくなっていた。
けど、その子といると、妙に暖かくなって、1人で居ることの寂しさを見てしまった。気づかなかったら平和だったのに。でもそうなると、やはりその子が欲しくなって、しかし、付き合ってしまうときっと失望されるんだろうなとか、そもそもオレは誰かと付き合う資格があるんだろうかとか、でも我慢しようとすればするほど我慢できないとか、非常にゴタついてしまった。なんかそういうのが面倒くさいと感じる自分もいるし、いや、イケイケとそそのかす自分もいる。で、結局、あまりにも荒廃して希望という物を見失っている自分の恋愛エリアをなんとかせにゃならんと考えた。そもそも君のいる場所に行くという日記を書いているし、それが本来の目的だったなぁと。
でもそこはあまりにも荒廃していた。びっくりするくらい暗かった。なんか絶望に覆われていた。
「こりゃダメだ」
と、暗澹たる気持ちになった。やはり恋愛というのは自分がよければいいというものではなくて、相手にも幸せになってほしいものである。でもこれじゃ、とてもとても。腐った大根でできたキムチを売りつけるような感じ。
そう思うと哀しくなった。いくら好きになっても、人前に出せるもんじゃないよ、こりゃ。泣きたくなった。その子と自分が一緒にいるところなんて想像するともうダメだった。そんな幸せが来るはずないだろう。今までもそうだったし…。信じても頑張ってもダメだった。多分、本質的に何か私にはアウトな要素があるのだろう。求める力が強いだけに、必ず来る拒絶の予感に激痛が走る。自分を傷つけて哀れむ黒い波が襲ってくる。いつもだったら、ここからもっと暗黒の底へと連れて行かれるとこだっただろう。
でも闇の雲の中に滲んで光る窓があった。あれはなんだろう。注意して見てみると、それは自分がジムのトレーニングで作ったスペースだった。自分の努力で自分を痛めつけて作った窓。マシンから見える窓だ。それは暗黒に落ちていこうとする自分の中で確固たるものに見えた。トレーニングでできたそれは嘘の物ではなかった。それが自分を引きとめた。悲しみの波に翻弄されようとする自分をつなぎとめた。努力は報われないことも多いけど、自分で作った正しい直線性のようなもの、自分の沽券、ルール、成り立ち、何か存在意義のようなものがそこにはあった。努力で作ったものだ。
私はつまらない人間だけど、そういう確固としたものは持てた。これは進歩だ。それは自分で初めて得た、アイデンティティとでも呼ぶようなものだと思う。自分の存在意義。それは外的要因からは絶対に影響を受けず、私固有の物だった。多分、これはトレーニングを継続していく限り壊れることはないだろう。
とりあえずそこが橋頭堡だ。そこから陣地を広げていこうと思う。
僻まず、憎まず。いつも心の中を明るくして。力を抜いて。
まあ恋愛はうまくいかないだろうけど、きっちりと自分の芯を作っていこう。硬くて微動だにせず、自分に誇りの持てるような。

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