行列の出来ないラーメン屋

ほぼ近所のラーメン屋は制覇し、(やれやれ、このあたりでは天一を超えるラーメン屋はないか…)と嘆いていたところ、新しくそれらしいラーメン屋がオープンした。なんかTVチャンピオンのプロデュースがどうとか書いてある。店先から漂ってくる匂いもなかなか良い。これは行かねばと思っていつも前を通っていたのだか、疑問に思うことがあった。
いつもガラガラなのである。

うまいラーメン屋というのは大抵行列ができるし、少なくともスカスカということはないはずである。怪しい…と思いつつも、今日ちょうどラーメンが食べたくなったので入ってみた。
客は私一人のみ。恐る恐るしょう油ラーメンとライス、味玉を頼んでみる。
しばらくして出てきたラーメンに大き目のレンゲをつっこみ、すすってみた。

(う、うまい…!!)

うまいじゃないかっ! このあたりでは最高と言っていい出来の良さである。なんでこんなに空いてるのか? ちょっと離れたほどほどうまいラーメン屋が混んでいるというのに。
でもこれはいいところを見つけたわいと喜んでいると、店先に異様な雰囲気。

「お疲れっス!」
「お疲れっス!!」
という声が飛んで、白いベンツから柄の悪いおっさんが降りてきた。目つきも悪い。どうやらヤのつく自由業の人のようだ。子分が7、8人くらい。
しばらくして群集は解散したのだが、3人ほどが残って店の前でタムロしている。そういえばこいつらはいつも店の前でタムロしていたっけ…。
そこで思い出した。そういえばこの店のとなりってヤっちゃんの事務所じゃん…。
食べてる間も店の看板を小突き回している子分たち。そりゃ行列もできないわけだ。知ってて店をここに決めたのだろうか。せっかくうまいのに可哀想に…。
このうまいラーメン屋がなくならなければいいけど、と密かに応援し、替え玉を頼んだのであった。
でも子分をそんなところでタムロさせるなんて教育がなってないなぁと思う。みかじめ料で食ってブラブラしてる醜さと、一生懸命働いてうまいラーメンを作ってる人の差は歴然としているのに、真面目な方が割り食ってる光景がなんとも不条理であった。今度地元の警察の知り合いに会ったら密告しておこう。

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