海を照らす月

やれやれ、やっと衣替えが終わったよ。忙しいというかなんというか、釣りにハマってるせいなんだけど。頑張って働かないと! 自営業は、体調管理やメンタリティ管理も重要ですね。

さて、最近はシーバスにはまっている。いわゆるスズキなんだけど、釣り人の間ではシーバスと呼ばれている。海のブラックバスという感じだろうか。とにかくファイトがいいのである。
ルアー釣りというのはわりと面白くて、ブラックバスのそれが有名なんだけど、シーバスは70センチを越え、しはしば1メートルにも達する巨体なので引きが凄い(という噂である。まだ大きいのは釣ったことない)。こんな面白いものにハマってしまうのはいたしかたないことである。

で、スポットとしては新木場や荒川河口などがいいようである。多摩川でもつれるけど、さすがに多摩川のはちょっと食えないのでやはり海に行く。しかも夜の方が釣れるので闇にまぎれてえっちらおっちら釣るのである。

夜になるとおっちゃんが電気浮きなんかでチラホラ釣ってるんだけど、深夜近くになると誰もいなくなる。はっきり言って、夜の海はコワイ。暗くて波もよく見えないし、音はザザーンと凄いのである。一度、タンカーの起こす三角波が腰まで来て死にそうになった。波にさらわれるというはニュースでよく見るけど、こりゃ十分ありえるワイとびびった。でもシーバスを釣るためなら艱難辛苦を乗り越えるのである。おかげで都会の夜なんてちっとも怖くなくなった。3時ごろそのあたりをウロウロしても全然平気。人がすぐ近くにいるし、街灯もついてるし。夜の海はほんとに孤独で、ここで死んだら誰も気づかないなぁという感じである。孤独好きの私でもさすがにラジオの一つでも持って行きたくなる。

しかし、ある晩、月がほぼ満月で明るく青白く照らされる日があった。こういう晩は魚が警戒心を持つから不利なんだけど、それにしてもあの月は明るかった。細かく織られた波目をキラキラと照らす月。輝く銀色の鱗をちりばめた海にしばし見とれた。シンとした夜の中で冷たくそして澄んだ月。闇の中、頑張ってる自分に空がくれたちょっとしたプレゼントのようだった。こういう風景って昔の人はみんな見てたんだろうな。童話とかが生まれそうな雰囲気。『少年は月の欠片を手にとってエサとし釣り糸を垂れました。すると見たこともないような大きな金色の魚が現れ、竜となり、空に上っていきました。雲の上では死んだはずのお母さんが…』みたいな。

そんなことをぼーっと考えていたら、岩の上に置くいてたはずの網が流されてました_| ̄|○ やっばり上の空ではイカンようで…。


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