美味しんぼの44〜47巻が面白い

この前、漫画喫茶で美味しんぼを読んでたらかなり面白かった。元々はスピリッツでほとんど読んでたのだけど、今読み返すとまた面白く感じる。特に士郎と雄山の対立を栗田ゆう子がほぐしていくところがなんとも良い。披露宴の時の至高のメニューのとこでは涙を禁じえなかったなぁ。何か作者が全人格をかけて入魂したという感じで迫り来るものがあったな。
でもその後、なんとなく親子が和解したらわりとつまらなくなってしまう。料理と人間ドラマの両方を見たいのだけど料理だけでは…という感じ。やはり44〜47巻くらいがいい。栗田ゆう子みたいな嫁さん欲しいと思わずにはいられない(笑)

そういえば初恋の子も裕子という名前だったなぁ。あんまりうまくいかなくて失恋のような形になったけど、今でもわりと心にある。時間が慰めてくれるかとも思ったけど、そういう感情は風化しないようで、今でも昨日のように感じる事ができる。あの時以来、自分の時間は止まったまま、というとやや甘美な響きがあるけど、まあそんな感じ。その子がいなくなってからというもの、生きてる価値がないような…。結局時間がたって思うのは、「もうあの子もオバサンだろう」という諦念。風化ではなく現状の認識によって、まあしょうがないねというあきらめの気持ちになる。なんていうか凄い固執力なのかもしれない。普通の人はある程度でパッとあきらめられるのだろう。でも自分の場合、忘れられずに寝言で呼んだりして歴代の彼女に怒られたこともある。もう血肉となっているというか、墓まで引きずっていくのだろうなと思う。けど、今のところそれは記憶の一部として、新たには何か始められるだろうと思う。なんたって初恋の人は今やきっとオバハンである。可愛いだろうけどオバハンだ。だったらそろそろ若い時の夢なんてあきらめた方が良さそうなのである。

でも自分に価値がないと思って生き続けると、ほんとに価値がなくなってしまいがちである。だからわりと自分を許している。失恋した自分を嫌いになるというのはわりと不合理で、それはそれ、これはこれなのである。落ち込んで止まってて失った時間は大きいけど、まあまた動けばいい話である。幸いなことに長生きしそうだし(笑) 人付き合いに絶望しないでまあいいこともあるんだとやっていくことだろう。そうやってまともな人間になっても君の元には辿り着けないけど、君のいた場所には辿り着ける。そしてまた考えるのだろう。

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