宿痾

フラッシュバック、というか、不可解な心理的圧迫で時々苦しくなる事がある。それは寝覚めにやってくるので防ぎようがない。調子よく暮らしていても、ふとある日目覚めたら、その酷い状態に落ちている。まあ長く寝すぎた時に多いんだけども、この状態というのは中から打ち破るのが結構難しくて(なぜかその時は知能指数が落ちて、幻想に支配されているし)、なかなか厄介なことである。その状態に落ちているということにさえなかなか気づかないし。これは今までたまにあったけど、これからも予告なく訪れるのだろう。もう宿痾として受け止めるしかない。現実に戻れるとホッと楽になるんだけど、それがまたいつ来るんだろうと考えるとちょっとコワイ。平穏に暮らしている床の一枚下はとんでもない地獄のような気がして。
Take it easyとは思うけど、何かとんでもない恐ろしいものが後頭部を思いっきりスコップの裏で殴ってくるんじゃないかとか思ってしまう。それを予防するためにはどうしたらいいだろう、とか考えると足が止まってしまう。

これは多分なんらかのトラウマに起因する現象だろうと推定してるんだけど、残念ながらそれがどの記憶に基づいてるのかわからない。もしかしたら物心つく前のことかもしれないけど。恐ろしいのは加害者の狂人性で、もっと恐ろしいのはそれに対して自分が無力であるということだ。自分の命を守れるという保証がないのである。恐怖度の高い事柄というのは大体死に連なる恐怖である。まあこのあたりが克服できない原因かもしれない。自分が何らかの防御力を有するという風に認識を書き換えるのも一進一退であるし。うーむ。
でも自分の中の誰かが閉じ込められた壁の中からガンバレと応援している声がかすかに聞こえる。あらゆる次元を超えて。それがわずかに自分が作り出せた、自分を存在させるという意志なのかもしれない。