もう届かない

心が火を噴いた。
魂の抜けたような日々、それは突如。
わかっていた。気づいていた。その感情には。
触れないようにしていた。忘れたつもりになっていた。


もう届かないわけで。
アイロニーに満ちた自分の裏に、ナイーブで柔らかな本心がいた。
悔しいくらいに愚かで。


死ねたらいいだろうなぁと純粋に思った。
でももちろん生きていかないとならないわけで。
心が泣いていた。失くしたと思ってたものはそこにあった。
削り続けられて残ったわずかのそれさえ、今はもうない。


なんて愚かなんだろう。
なんで愚かなんだろう。


肝心なものが見えない。それはなんなのか。
極小面積の自分。
ドブの中に捨てられたわずかなチップ。
その愚かで汚れたのが自分だ。


もう長い間そこにいるよ。
願わくば君がきれいな空に舞い上がらんことを。